告白と、発言資格の提示
悔いをひとつ報告しておきたい。Odyssey が出たとき、私はこれが RimWorld 最後の DLC になるのではないかという予感を抱いていた。誰にも言わず、どこにも書き残さなかった。そして今、Ludeon はアップデート 1.7 を発表し、私は事後になってから自説を述べる立場に追い込まれている。コインが床に落ちたあとで「表と言っておいたのだがな」と言い張る男と同じである。
というわけで、予言を始める前に、まずは発言資格を確立させていただきたい。私の RimWorld のプレイ時間は 2,000 時間に少し足りない。Royalty DLC の頃に始め、断続的に続けて Odyssey に至り、その Odyssey だけで約 1,000 時間が消えた。難易度は Losing Is Fun、そこに No Pause を入れている。ポーズボタンを取り上げ、ただでさえ残酷なゲームをさらに残酷にする MOD である。ほかに入っているのは、ゲーム速度を変えたときの「ガチャッ」という音を黙らせる P-Music と、No Pause の動作に必要なライブラリである Harmony だけだ。No Pause を入れた人間としては、限界までバニラだと言っていい。
熱心なファンではあるが、日々考察に励む種類の人間ではない。パッチノートを一行ずつ掘り返して神託を探すような真似はしない。とはいえ、この話がどこへ向かっているかは見えている気がする。
1.7 の正体
10月12日、Ludeon はアップデート 1.7 を発表した。見出しは、RimWorld が Unity を離れ、Ludeon が自社で開発したゲームエンジン Waylith Engine へ移るというものである。本人たちの説明によれば、見た目も挙動もまったく同じまま、動作だけが2〜4倍速くなる。現在は Steam の unstable ベータブランチで公開されている。

以上がアップデートの全部である。新しい生物も、遺伝子も、バイオームもなく、既存 DLC の調整すらない。Ludeon はゲームの土台だけを入れ替え、ほかには何も触らなかった。
この判断には理が通っている。RimWorld は特異なゲームだ。入植者も、銃弾も、カモの一羽までもがプロセッサの時間を要求してくるシミュレーションである。Unity のような汎用エンジンは、あらゆる種類のゲームを一手に引き受けるために鍛えられた大槌であって、ここまで特殊なものを作るスタジオは、いずれ仕事の形に合わせた道具を欲しがる。
成果は見えている。我が家の慎ましい PC を確実に膝から崩れさせた襲撃はただひとつ、Shambler Assault だった。マップ上に躰が溢れ、ゲームは這うような速度になる。1.7 のテスト映像では、通常の10倍の数の襲撃者が3倍速で、さらに No Pause の4倍速でも滞りなく動いていた。念のため記しておくと、あれは実際には通常の16倍速である。誰もが4倍速と呼んでいるが。
DLC なきアップデートが予兆である理由
RimWorld のバージョン番号には拍子がある。新しい番号はたいてい DLC と連れ立って現れ、全員に配られる無料機能の山が付く。アップデート 1.6 は Odyssey とともに来て、釣り、新しい作業、そして処理落ちを大幅に減らすマルチスレッド化を持ってきた。過去の例外はただ一度、DLC を伴わなかった 1.2 だけである。
この拍子が重要なのは、Ludeon の商売そのものがこれで回っているからだ。本体を手頃な値段で買い、DLC が出るたびに買い足す。サブスクリプションもバトルパスも、帽子を並べた課金ストアもない。払った分は永久に自分のものである。古き良き時代のやり方だ。誠実なモデルであり、各拡張を「買う価値のあるもの」に仕上げたスタジオが報われる仕組みになっている。
ならば、DLC で成り立っているスタジオが、DLC もコンテンツも、その気配さえ添えずに大型アップデートを出したときには、目を留める価値がある。Odyssey からすでに一年以上が過ぎた。ファンは次の一発を Go-Juice でも待つような目つきで待ち続けている。そこへ届いたのは新しいエンジンと、別れ際の一文だった——Waylith で動くゲームは RimWorld だけではない。Ludeon は新しい何かを作っている。
Odyssey という天井
公開しておくべきだった予感とは、これである。Odyssey のあと、RimWorld をこれ以上どう拡張するのか。
Odyssey はグラヴシップと輸送船、そして惑星全域を跨ぐ高速移動を与えた。かつては苦行のようなキャラバン行軍を要したバイオームが、短い飛行の先に変わった。マップは最良の意味で小さくなり、ゲームは巨大になった。惑星間航行にまで手を出さないかぎり、残された辺境はもうさほど多くない。
残っているのは結合組織、つまり DLC 同士の噛み合わせを良くする小さな追加である。Anomaly がわかりやすい例だ。Ideology とはよく噛み合うが、ほかはおおむね無視している。Ludeon は完璧な着想を卓上に置いたまま手をつけていない——放棄され、灯の落ちた宇宙ステーション。通路にはシャンブラーがうろつき、通気ダクトのどこかにレヴェナントが潜んでいる。やる価値は十分にある。だがそれは継ぎ当てであって、新しい章ではない。
Ludeon も私と同じ結論に達したのだと思う。RimWorld を書き直さずに RimWorld へ足せるものは、もうほとんどない。Waylith とは、その書き直しの姿である。
みんなが忘れている話
コミュニティが見失っている RimWorld 史の一片がある。Tynan Sylvester の最初の構想は、墜落からのサバイバル譚ではなかった。宇宙を舞台にしたコロニーシムであり、そこでは宇宙船が我が家だった。初期の構想は傭兵ものの色合いも帯びていた。
宇宙版は作るには複雑すぎたため、彼はもっと小さく始めた。三人が辺境惑星に墜落し、死なないように足掻く。このシナリオが我々の知るゲームになり、以後のすべてはその上に積まれてきた。
そう眺めれば、Odyssey は単なる拡張のひとつではない。十年後、DLC 五本を経て、ついに達成された当初の構想そのものである。作ろうとしていたものを作り終えたなら、その設計図での仕事は終わりだ。そこで問いは、次に何を建てるかに移る。
一から全部知りたい方は、RimWorld の開発を追ったこのドキュメンタリーをどうぞ。
予言:RimWorld 2
はっきり言おう。Ludeon の次作は RimWorld 2 である。
Ludeon は説明をぼかしたまま、新しい何かが来るとだけ言っている。あのスタジオは昔から手札を見せない。この曖昧さは期待値の調整であって、本件が無関係であることの証ではないと私は読む。これほど愛された看板を抱えたスタジオが、それを置いて立ち去ることはない。建て直すのである。
最も近い先例は The Binding of Isaac だ。初代は Flash で作られ、DLC が出て、エンジンの限界に突き当たった。Edmund McMillen はそれを新しいエンジンで作り直して Rebirth とし、旧来のコンテンツをひとつの大きなゲームへ畳み込んだ。ここでも同じことが起きると見ている。本体に Royalty、Ideology、Biotech、Anomaly、Odyssey を加えたすべてが、Waylith の上でひとつの土台に統合される。
二つ目の、より大胆な予想はこうだ。拠点の既定値は、あなたの宇宙船になる。 Odyssey は続編の付け足しではなく、その中核になる。自分の船を建て、自分で飛ばす。地上のコロニーも、おなじみの墜落スタートも残るが、それは選択肢としてだ。RimWorld 2 は、Tynan の当初の構想が主役の座に着く場所である。
Waylith の発表と採用の動きが、これを裏づける。Ludeon は今年プログラマの求人を出しており、このゲームに 10,000 時間以上を注ぎ込んだ配信者 Adam vs Everything によれば、新たに三人の開発者を迎えている。完成したゲームを保守するために人を増やすスタジオはない。
書き直しなら直せるもの
白紙から始めれば、Ludeon は長年プレイヤーが抱えてきた不満にようやく手を付けられる。私が期待している修正は以下のとおりである。
- 多少は多様な襲撃者。 終盤になると襲撃は飽きる。海賊と部族民の同じ取り合わせを、数だけ膨らませて壁に投げつけてくるだけだ。続編なら、派閥の数も襲撃の種類も増やせるし、挙動の違う敵も出せる。
- 筋の通った人間関係。 RimWorld の恋愛・社交システムには誰もが文句を言っているし、言うだけの理由がある。書き直しは、周りを継ぎ当てで固めるのではなく、根本から直す機会である。
- 人が住んでいるように見える襲撃者の拠点。 いまの海賊の前哨基地を攻めれば、25人の襲撃者が5つのベッドを分け合い、モグラでも遠慮するような環境で暮らしている。派閥の拠点は、実際に人が生活している場所に見えるべきだ。
- 多少は深みのある外交。 今のところ、派閥があなたに差し出すものは二つだけだ。ささやかな贈り物と、好感度である。好感度は貴重品を山ほど送りつければ簡単に稼げるし、人皮レザーがこの用途に実によく効く。見返りに、友好的な派閥は兵を送ってくれるか、軍事支援の要請に応えてくれるかもしれない。関係性の全部がこれだ。敵対派閥はもっとひどい。海賊団は誰に対しても永久に敵対し、自分なりの同盟も確執も持たないまま、あなたが数百時間かけて地図から拭い去るのを待っている。私が欲しいのは、互いに同盟を結び、互いに反目し、賄賂や説得や潜入の余地がある派閥だ。プレイヤーたちはずっと、隠密行動や敵基地への侵入、そして汚れ仕事を派閥に金で請け負わせる手段を求めてきた。
- 動く経済。 RimWorld に需要と供給はない。価格は固定で、羊毛を銀4,000相当ぶん投げ売りしたところで商人は顔色ひとつ変えない。自分の商売が実際に市場を動かす世界であれば、この惑星は書き割りではなく、人が住んでいる場所に感じられるだろう。
最後の二つは、まっすぐ Tynan にぶつかる。彼は RimWorld を 4X ゲーム——帝国と経済を扱う Civilization の系譜——にはしたくないと述べている。本人の代わりに語ることはできない。ただ、彼が以前に考えを変えたことは指摘できる。かつて彼は RimWorld に子供は出さないと言い、その後 Biotech が子供を連れてやってきた。子供の襲撃者まで含めてである。RimWorld にしか笑いに変えられない種類の残酷さだ。設計者が過去の「ノー」を見直すのは、まさに一から作り直すときである。RimWorld 1 の土台は、生きて策を巡らせる世界のために組まれてはいなかった。RimWorld 2 の土台ならそうできる。そしてそれは、このシミュレーションをこれまでより遠くへ押し出すことになる。
どれも小さな調整ではない。いずれも現行コードの奥深くに埋まった仕組みに触れるため、直すことは作り直すことと同義になる。それが私の言いたいことである。
私が外した場合に備えて
当然の譲歩はしておく。新作は RimWorld 2 ではないかもしれない。Ludeon が与えたのは一文であり、私はその上に家を一軒丸ごと建てた。
それでも、ひとつは自信がある。彼らが作っているものは、何であれコロニー運営シムになる。Waylith は重いシミュレーションを走らせるために作られたのであって、横スクロールアクションを作るために作られたのではない。
RimWorld 2 でないとすれば、可能性は二つ見える。ひとつは同じ宇宙を舞台にした SF もの、厳密には続編ではないスピンオフである。もうひとつはファンタジー——つまり、普通の人間がちゃんと遊べる Dwarf Fortress だ。Dwarf Fortress は傑作だが、入口の険しさが殺人的である。RimWorld の読みやすさと物語生成を備えた Ludeon 版があれば、相当の本命になる。
自信の階段を、安全なものから大胆なものへ並べておく。
- 新作はコロニーシムである。ほぼ確実。
- 舞台は RimWorld の宇宙か、その隣である。ありそう。
- 名前は RimWorld 2 で、DLC 五本の中身がすべて入っている。これが私の本命。
- 拠点の既定値はあなたの宇宙船である。これが最も大胆な張り。
ただし、落とし穴
これは無料では来ない。数百時間から数千時間を与えてくれる15ドルの DLC にすら文句を言う人々がいるのだから、定価の続編にはいくらかの憤慨が集まるだろう。しかし、古い家の上に新しい基礎を打つことはできない。掘削の費用は誰かが払う。
もうひとつの代償は MOD である。RimWorld 2 が本当の作り直しであれば、MOD 作者は一から始め直し、プレイヤーは自分の構成を組み直すことになる。私の MOD 一覧は索引カード一枚に収まるので、その痛みの大きさを判定するには不適任だ。だが、modder たちがこのゲームに築いてきたものは見てきた。より良いエンジンが彼らの足を鈍らせるとは思わない。Ludeon はすでに Waylith を「複雑な MOD に優しい」と売り込んでおり、これは効いてくる。
待つ時間
悪い知らせは、新しい RimWorld のコンテンツが近いうちに来るとは思えないことだ。続編であれスピンオフであれ、何かを目にするまで少なくとも一年は待つと見ている。
良い知らせは、このスタジオが黒字で、人を雇っていて、新しいエンジンを持っていることである。Odyssey は私から生産性を千時間ぶん奪った。次に来るものはおそらくもっと奪うだろうし、私は喜んで払う。
今回は、予言をちゃんと記録に残した。RimWorld 2、そして我が家としての宇宙船。一年後にまた会おう。